第三回:ハワイアンサロン chidori 3代目ご主人 石黒 等さん

 

『店主に聞く!』第三回目の店主は、ハワイアンサロン chidori 3代目ご主人 石黒 等さんです。
理容室のお話にとどまらず、興味深いお話を沢山お聞きする事が出来ました。

『理容と美容』

本日はよろしくお願いします。それではまず、“ちどり”という店名の由来をお聞きしたいのですが。

僕も全然知らなくて、この取材の前に聞いてみたんですが、ウチのマスターもずっと知らなかったみたいで。
それで、おばあちゃんに聞いたら、元々おじいちゃんが修行していた床屋が『ちどり』って名前で、
のれん分けしてもらったみたいですね。

 

おじい様が、という事ですが創業はいつ頃でしょうか?

おじいちゃんが始めて僕で3代目なんですけど、創業75年くらいになるらしいです。

そんなに昔からやられているんですか!? chidoriさんはもっと新しいお店なのかと思っていました。
それでは、おじい様の後に自然とお父様が継がれるような形で?

そうですね。でも、父親もあまり継ぐのは嫌だったみたいで(笑)
元々は全然違う仕事をしていたみたいですね。

そして、3代目の等さんに代変わりされたわけですが、その前には余所で働かれたりしていたのでしょうか?

はい。理容室と美容室、両方で修行しました。

理容と美容では免許が違いますよね。両方の学校に通われたのですか?
そうですね。両方に行きました。
修行も理容が5年で、美容が6年ですね。

子供の頃からお父様の姿を見ていらっしゃって、そのままこの業界へ?

 

いや、そんなにストレートには受け入れられませんでした。僕も父親と同じで
本当は違う仕事をしたかったですね。元々、海が好きなので海に関係した仕事をしたかったんです。
子供の頃から、夜遅くまでスタッフの人達が練習してるのを見ていて、
「遊ぶ時間も無いじゃん」って思ってました(笑)

『ターニングポイント』

先程、修行をされていたという事をお聞きしましたが、修行を終えて戻って来られてからは
何年くらいになるのでしょうか?

床屋さんの修行を終えた後に一回ここに戻ってきて、2年くらい働いていたんですけど、
「どうしても海外に旅に出たい」っていう衝動に駆られて、1年くらいオーストラリアに行ってました。
で、帰って来たらココで働くって約束だったんですけど、
帰って来たら今度は美容の免許が取りたくなって(笑)

 

 

(一同笑)

 

これからは美容の免許がないとな、と思って「レディースのカットが覚えたいから、悪いけど
東京で修行するためにもう少し猶予をちょうだい」って言って。
「じゃ、もう20代は好きなようにやれ」って言われたので東京の美容室で働いていました。
東京から帰って来てからはずっとココですね。なので、ココで働き始めてからは7年ですね。

でもそれからも、海外に行ってお金が無くなったら帰って来て・・・っていう事は何度かしていました。

海外に行かれて、具体的には何をされていたんですか?

 

名目は“自分探し”みたいな(笑)

バックパッカーみたいな感じで。

そうですね。世界中色々と遺跡を見たりもして。
一応、役に立つか分からないけど・・・と思いつつ、はさみをバッグに入れて旅をしていたんですけど。
それで、旅先で知り合った人達の髪をカットしてあげたり。
それまではこの仕事の良さってあまり分からなかったんです。なんか拘束時間も長いし、
遅くまで練習ばかりだし。この仕事、何が良いんだろうな?って思っていたんです。
でも旅先で現地の人の髪の毛を切ってあげて「お礼に酒をおごるよ」とか、そういうのが沢山あって。
あ、この仕事ってはさみ一つで人に喜んでもらえて、なんか世界共通っていうか・・・
手に職があるってこういう事なんだなって初めて実感したんです。
そういう経験をしてからは「こんな仕事」と思っていた気持ちが解消されて、そこから一気にこの仕事が
好きになりましたね。
旅に行ってなかったらこの仕事の良さはわかっていなかったと思います。

はさみ1本で世界中の人達とわかり合えるっていうのは素晴らしいですね。

店内は南国っぽい雰囲気ですが、南国にも行かれていたんですか?

基本、南国は好きなんですけど、ハワイに行った時に「この雰囲気がいいな」と思ったんです。
その時は店はまだ普通の感じだったんですけど。
ハワイに行った人ってみんな何とも言えない雰囲気にハマってまた行きたくなるじゃないですか。
それで、ウチの店も「あのサロンにまた行きたいな」と思ってもらえる雰囲気作りをしたくなって。
南国特有のリゾート気分と言うか、そういう雰囲気で・・・ま、自分自身がそういう雰囲気で
仕事がしたいな、と思い始めて徐々にこういう店内になりました。

今回、chidoriさんにインタビューに行くっていう事でホームページを拝見したら“南国風”に
なっているので「いつのまに!?」と思っていたんです。

東京からchidoriに帰って来た頃には、店内にあまり特徴も個性も無い様に感じられたんです。
でも“自分らしさ”を出したいと思っても何をしたらいいのかって全然思いつかなくて。
そのまま2、3年、悩んでいた時期があったんですが、ある時、昔行ったハワイの事を思い出して
「あーまたハワイ行きたいなー」なんて思ってたんですけど、「あ、そんなに好きなら自分で作っちゃうか」
って。そこから一気にガーっと変えて行きましたね。
ウチのマスターも「やりたいようにやれ」って感じで。
海外で色々な経験をされてきたからこそ、普通のお店では物足りなくなったという事もあるのでしょうか?
それはあるかもしれないですね。
昔からのお客様は「3代目は何を始めるんだ?」っていう感じで、良い意味で期待していてくれたりもします。

『徳を積む』

chidoriさんは、以前から定休日にはボランティアをされているそうですが?

以前は毎月、孤児院の施設にボランティアでカットに行っていたんですけど、
今は2ヶ月に一回行っています。老人ホームにも毎月行っていますが、
そこは少し報酬を頂いていますけどね。

その活動はいつぐらいからされているんですか?

もう25年とか・・・ですね。
元々、ウチのマスターが同業者同士でグループを作ってまして、そこでボランティアをしようという事に
なって、孤児院の施設に行くようになったんです。

以前、商店街のほうから『清掃活動に関する感謝状』を贈らせて頂いた事があったのですが、
ちどりさんと言えば、ボランティアだったり清掃活動だったり、そういう意識が高いなという印象があります。

徳を積めばもしかしたら回り回って自分が困っている時に、誰かに手を差し伸べてもらえる事が
あるんじゃないかっていう。
もちろん、そういう期待をしてやるわけではないけど、マスターにはずっとそういう風に言われていましたね。
だから、ウチのみんなはボランティアに行くって言っても嫌な顔一つせずにやってくれます。

 

最後に、chidoriさんのウリというか大事にされている所などをお聞かせ下さい。

子供からお年寄りまで均等に出来る事は当たり前なので、それプラスどういう所が・・・?と考えると
“人 対 人”の仕事なので、その人が一番気持ちの良い雰囲気を作るっていうのは大切にしたいですね。
床屋さんって寝ていたい人も居るし、そういう方には必要最低限の声かけしかしない、とか
おしゃべりが好きな方には、気持ち良く話をしてもらえる雰囲気を作ったり、とか。
中にはコミュニケーションを取りたく無い方もいらっしゃるし、
その人にとって居心地のいい空間にしたいですね。

 

 

色々な経験をされてきた3代目のご主人。
海外での貴重な体験談も沢山お聞きしたのですが、スペースの都合上割愛せざるを得ませんでした。
ぜひ、chidoriさんにカットに行き、南国ムードの空間でリラックスしながら
色々な楽しいお話を直接聞いてみて下さい。

本日はどうもありがとうございました。


【インタビュー・構成/松本純一(INMYLIFE potemkine) インタビュー/宮島一聡(糸美屋)
撮影/山口 哲(写真のヤマグチ) 協力/松浦 成隆(弘法PCサロン)】

 
ハワイアンサロン chidori

ハワイアンサロン chidori

電話(0568)36-8721
愛知県春日井市若草通1−2−2

営業時間 AM 9:00-PM 7:30

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