第六回:サイクルセンターフクイ店主 福井昭彦さん

 

『店主に聞く!』第六回目の店主は、サイクルセンター フクイ 2代目ご主人 福井昭彦さんです。
作業でお忙しい中、興味深いお話を沢山伺いました。

『突然自転車屋に』

本日はよろしくお願いします。それではフクイさんの創業は?

昭和48年なんですけど・・・、親父が脱サラしてですね。
九州から昭和42年頃にこっちに来たんですよ。
それからタクシー運転手をやってて、なんか突然自転車屋になって。
なんか、閃いたんでしょうねえ。

こちらに引っ越して来られた時は、福井さんは小学生くらいですか?

そう。もう小学生でしたからね。
で、昭和48年に・・・今の『てる坊』さんの所で始めたんです。
そこで7年くらいやらせてもらってたのかな。で、それから駅前に。

駅前でやられていたんですか?

今の『山彦』さんがある一角ですね。で、道路拡張の立ち退きとか絡んで、平成8年の2月にココ、
今の場所に来ました。

この場所で始められたのは最近なんですね。

まあ、そうですね。
で、ここで僕が始めたんです。

そうすると・・・来年40周年なんですね。
その頃に商店街には他に自転車屋さんはあったんですか?

もちろん。駅前に『鈴木サイクル』さんと・・・『平松モータース』さんも昔は自転車やってましたね。

その中で、商店街で自転車屋をやろうと思ったのは、お父様は何か勝算があったんでしょうか?

 

いやー、その辺は(笑)どうしてやろうと思ったのかは分からないですけどね。
でもそれがね、当たったみたいで。

当時の自転車業界は、いいヤツが売れてたと思う。4〜5万とかするのがね。
その当時は自転車屋で買うしかなかったからね。

僕が小学生の頃、昭和50年代も変速ギヤが付いていたりとか、
みんな結構高いヤツに乗ってた記憶があります。
そうだね。フラッシャー付きとか。当時は価格が高いのでも流行ってましたね。
商店街も全盛期ですよね、昭和40年代50年代っていうのは。だから結構店も流行ってましたよ。

『継ぐ』

お父様から福井さんが継がれたのは?

元々は24歳の時に、勝川のナフコの横で始めたんですよ、一人で。
だから2店舗あったんだよね。

そうなんですね。家業を継ぐというのは自然な流れで?

 

まあ、当時忙しかったからね。
当時は修理とかも本当に忙しくて、従業員とか大学生のアルバイトとか、10人くらい居ましたからね。
その中で僕も手伝わさせられて。子供の頃から関わってきたから、もうそのまま来ちゃったんだね。
でも学生が終わって、他で3年間就職して、24歳で自転車屋を始めた。

ナフコの横で始められた時は、もう“独立”という感じだったんですか?

 

そうそう。独立してやるって、そのつもりだったんですけど。
まあ、やってはいたんだけど大きい店舗では無かったから。極端に売れてるわけでも無いからね。
本当に一人でやってたからね、配達とか出来ないからお客さんに取りに来てもらわないといけないし、
留守番も居ないから。必要な時は親父を呼んでたし。
そんな感じでやってましたね。

お一人でやられていたのは何年間くらいだったんですか?

昭和62年から平成8年までだから・・・、9〜10年くらいだね。

先程、駅前から場所を移られた時に、福井さんが今のこの場所で始められたと伺いましたが。

親父が病気したからね。で、母親一人では任せられないから。
病気をしてなかったら、そのまま一人でやってたんじゃないかなあ。

今後の跡継ぎに期待してしまいますが、息子さんは跡を継がれるんでしょうか?

いや、もう無理でしょ。やらせないと思いますよ。

でも、将来フクイさんが無くなってしまうとなると、商店街に自転車屋さんが無くなって
寂しくなってしまいますね。

商店街には無くなるけど、どこかに大型店は出来ると思うよ(笑)

もう跡を継ぐ自転車屋さんはほとんど無いですもんね。
僕、今49歳ですけど、春日井の個人の自転車屋の中では3番目に若いくらいだもんね。
みんな60代とかでさ、跡継ぎいないからやめる所ばかりだから。
本当に、あと10年もしたら個人の自転車屋は数件しか残らないと思うよ。
  —このインタビュー中にも修理などのお客様がひっきりなしに来店されていました。
福井さんが修理の作業をされている間、お母様にもお話を伺いました。

『にぎわいを昔のように』

修理のお客さんが沢山いらっしゃいますね。
余所で買ったのでもね、修理に来て下さるからね。
でも今はね、パンクも少なくなったんですよ。
性能が良くなったんですか?
そうじゃなくてね、勝川駅が綺麗になったでしょ?自転車置き場も。
ああー(笑)
昔はね、イタズラとか。
自分のが出せないと隣のを何かしよったんじゃないかなあ。
今はね、きちんとした自転車置き場が出来たからね。

先程、3代目が継ぐ事は無いという話をしていたのですが、お孫さんがやりたいと言ったら大歓迎ですか?

ねえ、こんな時代だからね。まあ、本人がやりたいと言ったらね。
だけど・・・昔みたいなにぎわいも無いから、あまり勧めてもね(笑)
でも、自転車の修理をしてくれる所はあったほうがいいんだけどね。一件でもね。
みんな駅を使ってるからね。

  —ここで修理を終えた福井さんが戻って来られました。

お仕事の邪魔をしているようですみません・・・。

今後の目標などありましたら。

うーん・・・
お店のにぎわいを昔のように戻したいよね(笑)

それでは最後に、お客様にメッセージを。
修理だけでもいいので、どんな些細な事でも結構ですのでぜひ来店して下さい。
 

1時間半ほどのインタビューの間にも、沢山のお客様がパンクの修理等で来店されていて
インタビューが中断する事もしばしば。
年齢層も幅広く、店先は本当ににぎわっていて福井さんの奥様もお母様も
次から次へと作業をこなしていました。
今ではホームセンターや大型ショッピングセンターでも自転車を扱っていますが、
いつまでもフクイさんのような“街の自転車屋さん”があり続けて欲しいと思いました。

本日はどうもありがとうございました。


【インタビュー・構成/松本純一(INMYLIFE potemkine) インタビュー/宮島一聡(糸美屋)
撮影/山口 哲(写真のヤマグチ)】

 

サイクルセンター フクイ

電話(0568)33-7775

愛知県春日井市旭町1−11−2

営業時間 AM 9:00-PM 7:30

定休日 火曜日