第九回: 美容室ゆう勝川店オーナー 各務健治さん

 

『店主に聞く!』第九回目の店主は、ゆう美容室 勝川店 オーナー 各務健治さんです。
美容師として、オーナーとして、興味深いお話を沢山伺う事ができました。

 

『自分がやらなければ』

本日はよろしくお願いします。それではまず、こちらの創業は?


 

この店が出来たのは平成元年くらいなんですよ。
なので、店が建ってからは25年くらい経ってるんですが、私がやってるのは20年くらいになります。

 


 

平成元年にこちらが出来てから数年後に各務さんが店長さんに?


 


 

そうですね。
完全にフランチャイズになったのは・・・7年目になるのかな。
それまでは“店長”でしたけどね。

 



 

最初は、ゆう美容室の社員として就職されて?


 

そうですね、最初は。はい。

 

美容師を目指すきっかけになった出来事とかはあるのでしょうか?


 

なんていうのかな。あんまり変な事言えませんしね(笑)
要は、中学生くらいの頃から自分のヘアスタイルに興味を持ち始めて。
で、床屋さんに行ったりしても上手い事やってくれないし。
ある時、とんでもない頭にされて「こんな事ではいかん」と。

 

(笑)それは床屋さんで?

 

床屋さんで。・・・パンチパーマにされたんだよね。


 

  (一同 笑)

 
中学生でパンチパーマ(笑)


 

(笑)それはパーマをあてに行ったらそうなったんですか?

 

“パンクパーマ”っていうのが有名だって話で。パンクとか流行ってたんですよ、当時。
髪を立たせたくてね、ピーンと。
で行って、「パンクパーマお願いします」・・・が、パンチパーマになっちゃって(笑)
「こんな子供だましな事は駄目だ。これは自分がやらなければ若者は救われん!」と志したわけですよ。

 

今、各務さんはおいくつで?


 
今は46。


 
そうすると、その当時、中学生で男子が美容室に行くって言うのは相当小洒落た感じですよね。


 
まだ少なかった。
僕らの中学生の頃は・・・アイドルが居て、ロックがあって、外国だとピストルズが居て・・・っていう
あの時代ですよ。 で、そこにYMO、テクノが入ってきて、いわゆるニューウェーブっていうもの。

 
ああ、そうですね。
原宿とかからムーブメントが起きて、とかそういう時代ですね。

 
そうそう。ただ、地元に居ても中々みんなそういう方向には行かないから、
「何かおかしいな、おかしいな」と思いながら。 
ま、高校生になってからは名古屋にもちょくちょく行くようになって、ね。

でも、それこそ美容師を目指すっていうと、ヤンキーか・・・

 
(笑)ああ、そうですね。まだ『パーマ屋さん』って言われてた時代ですよね。


 

そうそう。女の子でもちょっと頭の悪い子(笑)
そういう子が行くっていう時代だったし、地元がそうだったんですよ。
だから「美容師やる」なんて言ったら、「なぜそんな事をするの?」って言われるくらいだった。

 

高校卒業されてから専門学校へ?


 
専門学校は通信なんで。
だって親も大反対ですからね、美容師なんて。 親はサラリーマンだし。
高校は工業高校に行ったんですけど、いわゆるコンピュータープログラミング。
YMOになりたかったから(笑) 「プログラミングしなきゃ」って。

 
(笑)お話を伺ってると、ミュージシャン的な方向に行きそうな感じですね。


 
そうですよね。行きたいとも思ってましたね。
ま、誰もが思い描く事じゃないですか、中学高校の頃は。

 

『人柄に惚れて』

各務さんが、一社員からフランチャイズのオーナーとして独り立ちされるまでのお話を伺いたいのですが。

 

当然、個人で独立するていう事も考えましたよ。
自分で造るとしたらどういうお店にしようとか、色々と考えた結果、
『ゆう』の会長の教えが”それ”になるんですよね。自分の生きるべき道っていうのが。
それで、だったら別に個人の名前にこだわる必要も無いし、会長の元でこの『ゆう』っていう組織を
大きくしていく、っていうのが自分の使命かなと思って。
「じゃ、フランチャイズにしよう」ってなったんですけど。
で、その“教え”っていうのが、普通に人間としての・・・なんて言うんですか、その教訓みたいなのが
あるんですよ。ちょっと宗教的な(笑)

 

では、会長さんの人柄に惚れ込んだ感じで?

うん、人柄ですよね。


 

でも、中々その、若い頃って組織からドロップアウトしたがるものじゃないですか。
それを踏みとどまらせるというのは凄いな、と思います。

 

うん、そうですよね。
僕らみたいな美容師になろうとした人種って、毛嫌いするんですよ、そういうのは。
僕も大っ嫌いでした、最初は。「こんな宗教みたいなの」って。

「そうじゃないんだ、ファッションだ。自由にやればいいんだ」とかいう発想だったのが
つまづくんですよ、やっぱり。 スタッフを育てて行く事とか人間関係で。
つまづくのって結局、企業として育っていかないじゃないですか。
スタッフが可哀想なんですよね、それだと。
で、やっぱり考えて行くと会長の“教え”に徐々に、徐々に。

 

各務さん個人の“想い”とかもあると思うのですが、店の個性とか、インテリアとか、どのくらい
自由度があるんでしょうか?

 

ああ、『ゆう』の中ではアンチなんです、ウチ(笑)
会長は大きい教えで教えるんで、要は最終的にお客様に満足して頂ければどんなやり方でもいいよ、と。
別に形はこだわらいないと。
その形っていうのは、それぞれの店長やオーナーの個性を出せばいいから「自由です」っていう風には
なるんですけど、まあ、基本ってあるじゃないですか、やっぱり。『ゆう』っていうイメージとか。
そこからすると、ウチは若干アンチ系なところがあって、多分それはぼくの“個性”という事になると
思うんですけど。

 

各務さんのこだわっている部分は?


 

今は・・・ぶっちゃけ無いですね。
無いって言っても「それは変だよね」とか「変えて行こうよ」とかはあるんですけど、
極力スタッフが「ああしたい、こうしたい」っていう事をサポートするっていう、そういうスタンスですね。

 

では、店の雰囲気作りだったりとかはスタッフさんに任せてる部分が大きいんですか?


 

まあ、ミーティングとかで話し合ってですね。


 
たまに各務さんとお話をさせて頂く事があると、僕も音楽が好きなんで「音楽の趣味が似てるな」と
感じたりもしていたんですが、例えば店でかけている音楽って言うのもお洒落ですよね。
他の『ゆう』さんでは年配のお客様が多かったりすると客層に合わせたりとか・・・

 

そうそう。そういう所はゆずれないところですかね。
それは駄目なんです。自分でチョイスしたものじゃないと許せないんです。

 

そこはこだわりなんですね。

ですよね。

『心の部分』

美容室の“オーナーさん”と“スタッフさん”との違いっていうのは、技術力はもちろんですが
感性というか意識がもっと高い所にあるイメージなんですが・・・
例えば、スタッフさんだと、昨日やってたテレビの話題しか出ないところが、オーナーさんだと
それだけで終わらずにそこからもっと深い部分の話題を引き出せたりとかあるように思うのですが、
各務さんからもそういうものを感じます。

 

この仕事って、どんな事にも興味があって、ま、深く無くてもいいんですけど広く浅く興味を持っていないと
そこがヘアースタイルにもすごくからんでくるんで。
だから若い子には、興味は無くてもこの世代の雑誌を見て、どんなものを着てるんだとか、
そういうのはすごく必要だし、ま、新聞も読んだほうがいいよ、とかそういう話はもちろんしています。
 

プロとして見られてくるとそのプロデュースが出来ないと美容師として使い物にならなくなってきてるから。
例えば、松本さんが来て「短くして欲しい」って言うじゃないですか。
その“短く”は松本さんの、僕が見て「似合う似合わない」以前に、中のものってあるじゃないですか。
趣味の事とか、「あ、この人は今ここに来てるな」とか。それって本当に浅くてもいいから知っていないと。
ちょっとでも共通する部分があると許しますよね、心を。
心の部分であったり、流行の部分であったり、そういうのを色々と知らないと出来ないから、
常にそれは気にするように言っています。

 

美容業界って“流行の最先端”というイメージがありますが、
各務さんも時代時代の流行を見てきているわけじゃないですか。
「ちょっと、もうついていけないな」なんて思う事はありませんか?

 

疲れる事はありますけど(笑)


 
  (一同 笑)

でも、基本好きなんでしょうね。
新しいものとか好きだからやって行けるんでしょうね。
もしそうでなかったら僕はハサミを置いて経営者になればいいんですけど、なりきれないんですよ。

 

現場が好きなんですね。

そう、好きだから。
現場に立つのが好きだから結局なりきれないんですよ、経営者には。
ちゃんと経営者の目線でやっていけば、もっと違う世界があるんだろうけど出来ないんですよ(笑)

 

でも、そっちに行ってしまうと全然違う仕事になってしまいますよね。
 

違います。そうなると美容業界じゃなくてもいいんです、経営者って発想でいけば。
・・・今の悩みはそこですかね。

 

そうなると、この先もハサミを置けないですね。


 

置きたい気持ちもあるけど、置けないね(笑)


 

今日お話を伺っていて思うのは、そういったしっかりとした考え、コンセプトがきちんとあると
周りに新しいお店が出来ても、多少は気になるかもしれませんが、「ウチはウチだ」って、そういうのは
持ち続けられますよね。

 
うん、そう。不安にはなりますけど、それで差別化していくしか無いんで。
値段で勝負するとか、そんなのに巻き込まれたくは無いし。
お客さんにとって一生のパートナーとして付き合える人間性があるよ、っていう僕達でいようね、と。
そこで一番勝負をかけたいなと思いますね。

 
それでは、最後に今後の目標をお聞かせ下さい。


 
もっとお店を増やして行きたいっていう事ですね。
スタッフをしっかりと育てて・・・うん。
お店を増やすというより、スタッフがしっかり育ったから増やさざるを得なくなった、という
そんな風になりたいですね。
みんなに夢を与えられるような、そんなオーナーになりたいですね。

 
 

各務さんの、経営者としてビシっと一本筋が通っているお話は、
これから就職をする学生さんや、これから起業を考えている人が読むといいんじゃないかな、 と
そんな風に思いました。
やはり、何かをやり抜く時に“ぶれない”事は大事だな、と個人的に再確認したインタビューでした。

本日はお忙しい中どうもありがとうございました。


【インタビュー・構成/松本純一(INMYLIFE potemkine) インタビュー/宮島一聡(糸美屋)
 撮影/山口 哲(写真のヤマグチ)】

 

ゆう美容室 勝川店

電話 0568-33-1286

春日井市旭町1-13 ハイレジデンス勝川1F2

平日10:00~20:00
土・日・祝日9:00~19:00

定休日 月曜日

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